今、長男がドラえもんにどハマりしている。学校からの帰宅後も休日も、ipadを持って、ずーっとみている。親が注意しないと、徹夜しそうな勢いだ。
「ドラえもんって結構ワンパターンだよな、そんなにずーっとみて飽きないのかな」なんて思っていたが、いやいや、振り返ってみると、自分も同じくらい小さい頃、ずーっとドラえもんにハマっていたじゃないか!
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子供の頃、兄と弟と一緒にレンタルビデオ屋で借りてきたドラえもんの映画を、近くに住んでいたおばあちゃんの家のテレビで、水割りの薄めのカルピスを片手に飲みながら見るのがすごく大好きだった。レンタル期限が切れるまでは同じものを何度も見返して、またお小遣いをもらうと今度は違うドラえもん映画を借りてきて、を繰り返した。
今、自分の息子が同じようにドラえもんにどハマりしている。もちろん時代が進み、違うところもたくさんあるけれど。息子はビデオデッキではなくipadでみているし、ワンクリックでいろんな回を行ったり来たりしている。手に持った飲み物も、買ってきたペットボトルの濃いめのジュースだ。そもそもドラえもんの声も、画質も、僕がみていたそれとは全然違う。それでもドラえもんは、時代を超えて、子供たちを魅了し続けているのは間違いない。
これだけ子供たちを惹きつけるドラえもんの魅力って、一体なんなんだろうなって考えていると、息子のみていたipadから、「夢を叶えて ドラえもん」のメロディーが流れてきた。
夢を叶えて ドラえもん (mao) こころのなか いつもいつも描いてる (えがいてる) 夢をのせた じぶんだけの世界地図 (タケコプター) 空を飛んで 時間(とき)をこえて 遠い国でも ドアをあけてほら 行きたいよ 今すぐ (どこでもドア) 大人になったら 忘れちゃうのかな? そんな時には思い出してみよう しゃらららら 僕のこころに いつまでも輝く夢 ドラえもん そのポケットでかなえさせてね しゃらららら 歌をうたおう みんなでさあ手をつないで ドラえもん 世界中に 夢を そうあふれさせて やりたいこと 行きたい場所 みつけたら (みつけたら) 迷わないで 靴を履いて 出かけよう (タイムマシン) 大丈夫さ ひとりじゃない 僕がいるから キラキラ輝く 宝物探そうよ (四次元ポケット) 道に迷っても 泣かないでいいよ 秘密の道具で 助けてあげるよ しゃらららら 口笛吹いて 高らかに歩き出そう ドラえもん あの街まで届けばいいね しゃらららら 僕らの未来 夢がいっぱいあふれてるよ ドラえもん 君がいれば みんなが 笑顔になる 大人になっても きっと忘れない 大切な思い いつまでもずっと しゃらららら 僕の心に いつまでもかがやく夢 ドラえもん そのポケットでかなえさせてね しゃらららら 歌をうたおう みんなでさあ手をつないで ドラえもん 世界中に 夢をそうあふれさせて
なんていい歌なんだろう。
この歌を聞いて、ドラえもんが、世代を超えて子供たちを魅了し続ける答えがわかったような気がした。人間は小さい頃から、夢に憧れ、夢を追いかける生き物なのだ。ドラえもんは、現実世界では絶対に叶えられないような夢のような事を、未来の秘密道具で叶えてくれる。そういった「夢の実現」に子供たちはワクワクしているのではないか。
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ドラえもんが魅せてくれる夢にワクワクしているのは、子供の頃の自分も息子も大きく変わらないと思うが、決定的に違うなと思うことがある。それは、ドラえもんの夢の実現が、現代ではより現実的にみえるという事だ。自分の子供時代には一般家庭には携帯電話すらなかったが、息子は、携帯電話を使いこなし、SiriやAlexaみたいな機械と会話をする日常の中で生きている。ドラえもんの世界がちょっとずつ、でも確実に近づいてきている。
「あなたが欲しいと思う秘密道具ランキング」という興味深いものがウェブ上にあった。
(下記引用先:https://research-platform.line.me/archives/24925212.html)
『ドラえもん。あなたが欲しいと思うひみつ道具は?』



もちろんタイムマシンやスモールライト、どこでもドアなど、現代においてもまだ到底実現不可能なものも多くある。しかし、例えば翻訳コンニャクなんかは、コンニャクではないけれど、同時翻訳はもはや現実的になってきている。コピーロボットなんかも姿形は違うけれど、これまで自分がやらなければならなかった作業の一部は機械が現実に代用してくれるようになっている。医療に関しては、聴診器を当てるだけで自動で診断し、治療薬を処方してくれる「お医者さんカバン」というひみつ道具があるが、こちらも機械学習による診断サポートアプリや処方箋がアマゾンで自宅にすぐ届く未来を考えると、もはや完全に想像だけの世界ではないであろう。
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そんな時代に、子供の頃、大山のぶ代版のドラえもんにハマっていた自分は、大人になって医師となり、アラフォーおじさんになってからプログラミングの勉強を始め、今は医療AIアプリの開発研究に取り組み始めている。自分に瓜二つの風貌の息子がドラえもんにハマっている姿を眺めていると、ここにきてAI開発の魅力に取り憑かれているのはきっと、自分の心の奥底に眠っていたあの頃のドラえもんへの憧れが、この時代とともにまた目を覚ましてきているのだと思う。ドラえもんを作ることはきっとできないが、小さな機能を持った秘密道具くらいなら自分にも作れるかもしれない。あの頃憧れた夢の一部を、自分の手で実現できるかもしれない時代なのだ。
自分が生きている時代に、これからいったいどれだけ新しい秘密道具が発明され、そして世界は良くなっていくのだろう。息子たちの世代は、ドラえもんを将来、現実に作ってしまうのだろうか。今から、ワクワクが止まらない。
「大人になったら忘れちゃうのかな。そんな時には 思い出してみよう。
僕の心に いつまでも輝く夢」
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