ディープラーニングG検定のススメ

医療xAI

こんにちは、救急医はるだんです。

先日、日本ディープラーニング協会のG検定(2021 #1)を受講し、無事合格する事ができました。受験した感想(特に、医療関係者が受験する意義はあるか)をここで共有できたらと思います。結論からすると、G検定…

(医療関係者含め、どなたにもAI領域に少しでも興味があるなら) オススメ!

です。

G検定の良いところは、AI関連の実装力(プログラミング力)を問うものではないというところです。では何を問われるのかというと、AIに関する歴史(どういう経緯があって、なぜ今AIが脚光を浴びているのか)や、ディープラーニングを含む機械学習の基礎的な理論、現在どのようなAIが社会に出てきているのか、AIに潜む倫理的側面や社会問題などです。そのため「既に会社でバリバリプログラミングして、AI関連の仕事やっています」というエンジニアの方々にとっての基礎固めとして有用性があるのかもしれませんが、「最近AI流行ってるから勉強したいんだけど、よくわからん」という、普段はAI関連の仕事をしていない人にとって、最初の目標設定として非常に良いのかなと思いました。

合格率(下記リンク)は下記の通り、60-70%と比較的高いです。ただし、受験者層にselection biasがかかっていそうなので要注意です。つまり、受験者が既にAI関連の仕事をしていたり、必要に迫られて受験している層が多く、元々AM関連知識がある人が多い可能性があります。受験した感じですと、自分のレベル(AI領域に興味があって、少し勉強したり機械学習の基礎をかじっている)で、勉強をしないで挑むと間違いなく落ちます。受験勉強をしっかりやれば合格最低ラインに滑り込める。AIに触れたことのない人たちが、簡単には合格できないけど、無理難題というわけではない、勉強したら確実に成長を得られるちょうどいいレベルなんです。

https://www.jdla.org/news/20201119001/ (一般社団法人 日本ディープラーニング協会)

合格者の業種別割合(下記リンク)です。

https://www.jdla.org/news/20201119001/ (一般社団法人 日本ディープラーニング協会)

医療・福祉業の方達は全体の1.07%と非常に少ないです。実際、自分の周りでもAI関連知識を勉強している人は少ないです。おそらく背景に臨床業務が多忙なこと等があるのですが、それにしても少ない。医療業界は閉鎖的なので、他のビジネス業界では変革していることが医療界では未だ…というのが真実です。今後医療業界にも間違いなくAIによるパラダイムシフトがやってくると思います。今、医療者×AIはblue oceanです。AIといっても医療者がエンジニアリングを極める必要はありません。自分の経験上、エンジニアの方々と共通言語で話すことができるのが非常に価値があります。実際に医療を行っている医療者の切実な問題と知識、経験に、技術力の高いエンジニアや企業の開発力が掛け算されることが今後の医療界のAI進出には欠かせないと思っています。

結論AIに少しでも興味があるなら、G検定は最初の目標としておすすめ。超初心者でも、実際の仕事と並行して勉強をする覚悟があれば、合格は十分可能です。

最後に、せっかくなので実体験から学んだ受験者向けのアドバイスを2つ。

※1 G検定試験はオンラインで行うため、試験中にgoogle検索をできるというのも面白い試験です。(Google検定とも揶揄されたりしています。)ただし、問題量が膨大なので、ゆっくり検索している時間はなく、検索だけでは合格できません。迅速に、かつ的確に検索する技術検索力)は受験の助けになると思います。問題を全て回答するために、わからない問題は適当にマークして次にいったり、2択で迷っていても即決する決断力が重要です。これらの技術も今の時代、非常に必要なスキルですね。

※2  G検定用の教科者や問題集、オンライン学習はあるのですが、これらに特化した勉強法だと、試験で知らない問題が多すぎて戸惑います。機械学習界隈で「過学習」という単語があります。あるデータに特化した学習をしすぎて、異なるデータでは結果が出せなくなる状態のことです。この過学習状態を試験中に味わうことになります。問題集の勉強は必要ではありますが、十分ではありません。9割近く取れる状態で、+αとして最近のAM関連のニュース、法律関連の勉強をしておくと試験中に役立ちますよ。

※次回(2021#2)の受験以降、受験用シラバスや公式テキストの改訂があるようです。試験内容が大きく変わる可能性もあるので、受験される方は最新の情報をキャッチアップした方が良いと思われます。

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本日の格言

Variety is the mother of Enjoyment.                            (多様性は楽しみの母なり)                                Benjamin Disraeli (ベンジャミン・ディズラエリ)

いつもの仕事とは違うことを勉強すると、とても面白いですよ。

それではまた👋